季節はあっという間に進みもう冬キャンプのシーズンに入りました。低地のキャンプ場でも暖房器具なしでは過ごせない気温になるので、今年冬キャンプデビューしようとしている方は火力の強い暖房器具が必要です。今回は石油ストーブの選び方とおすすめのストーブを4つご紹介します。
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キャンプの防寒グッズ(暖房器具)おさらい
以前電気毛布をご紹介した記事でも触れましたが、暖房器具の種類と特徴は以下になります。
暖房器具 | 燃料 | 熱量 | おすすめ 用途 | メリット | デメリット |
薪ストーブ | 薪 | 超大 | メイン暖房 (起床時) | ・熱量が大きく暖かい ・調理もできる | ・煙突が必要 ・一酸化炭素を排出 ・燃料コストが高い |
石油ストーブ | 石油 | 大 | メイン暖房 (起床時) | ・煙突不要 ・薪より燃料コスト低い | ・一酸化炭素を排出 ・薪ストーブより熱量は劣る |
ガスストーブ | ガス | 中 | サブ暖房 (起床時) | ・ガスが入手しやすい ・手軽に使える | ・一酸化炭素を排出 ・熱量は大きくない |
ホットカーペット | 電気 (消費電力: 大) | 小 | サブ暖房 (起床、就寝時) | ・底冷えを防止できる ・空気を汚さない ・安全 | ・電源サイトでないと使えない ・大きくかさばる ・床面しか温まらない |
電気毛布 | 電気 (消費電力: 小) | 小 | サブ暖房 (起床、就寝時) | ・消費電力が小さくポータブル電源で使える ・羽織ることもでき汎用的 ・空気を汚さない ・安全 | ・1人用がメイン ・ホットカーペットに熱量は劣る |
湯たんぽ | 湯 | 小 | サブ暖房 (就寝時) | ・熱源がお湯で手軽 ・空気を汚さない ・安全 | ・熱量、利用時間は限定的 ・あくまで就寝時向け |
電気毛布、湯たんぽに関する記事はこちら。
薪ストーブが一番火力が強く、キャンプならでは感があり豪快ではあるものの、テント内で使う場合は煙突のルート確保などもありますし、持ち運びも大変なので購入に踏み切れない方も多いはず。
そこで今回は、1台目のメイン暖房器具として購入しやすい石油ストーブの選び方、おすすめ商品についてご紹介します。
石油ストーブの選び方
石油ストーブを選ぶ上で、どんな点を重視すべきでしょうか。主にスペックを比較する点は以下4点です。
1. 発熱量
石油ストーブを使う目的は当たり前ですが暖を取ることですし、メインの暖房器具として使うため、発熱量は高いほうが良いです。
対流式 vs. 反射式
石油ストーブはその形状により対流式と反射式の2種に分かれます。それぞれメリット、デメリットがあります。
対流式 | 反射式 | |
メリット | ・対流によりストーブ上部から空間全体を暖めやすい ・ストーブ上部で調理などができる | ・輻射熱によりストーブ正面を赤外線で暖める ・燃料タンクが分離していて扱いやすい |
デメリット | ・側面は直接的には暖まらない ・燃料タンクと本体が一体化 | ・幕内全体を暖めるのは苦手 |
特徴を活かした使い方 | 幕内全体を暖めるために中心に置いて使う | 幕の端に置いて正面方向を暖めるために使う |
キャンプにおいては広い空間を暖めやすく、選択肢が多い対流式の方が個人的にはおすすめです。
2. デザイン
石油ストーブは体積も大きく、サイトのど真ん中に置いて使うことになるので、デザインは非常に重要です。頻繁に買い換えるものでもないため、愛着を持って使えるデザインのものをこだわって選ぶことをおすすめします。
ただしデザインはスペックで優劣をつけられるものではなく、人の好みに大きく左右される要素なので、ご自身の感性でピンと来るものを選びましょう。
3. サイズ、重量、タンク容量 vs. 燃焼時間
本体サイズ、重量、タンク容量と、燃焼時間は基本的には比例関係にあります。(=大きいストーブほどタンク容量も大きく取れるため、結果的に燃焼時間も長くなる)
これは普段キャンプで何泊されるかにもよります。2〜3泊以上される場合は燃料タンクを別で持っていくことになるため、中途半端なサイズのストーブを買うのであれば、振り切ってコンパクトなストーブを選んだ方がいいですし、1泊での利用が多い場合は、容量タンクの大きいストーブを選んで、追加の燃料タンクは持たなくて済むようにした方が良いでしょう。
4. 価格
上記1〜3を見定めた上で、最終的には購入価格をどこまで許容するかで選定されるとよいでしょう。
石油ストーブはサイズ感もあり、長く愛着を持って使ったほうが良いアイテムなので、数千円ケチるよりも納得のいくアイテムを選ぶことをおすすめします。
石油ストーブおすすめ4選
それでは、具体的なおすすめ石油ストーブを4つご紹介します。
まとめ
まずは前述した選び方に沿ってスペックを整理します。4製品ともそれぞれ一長一短あります。
メーカー | FUJIKA (フジカ) | Alpaca (アルパカ) | TOYOTOMI (トヨトミ) | Aladin (アラジン) |
商品名 | ハイペット | アルパカストーブ コンパクト | レインボーストーブ | ブルーフレーム ヒーター |
参考価格 (税込) | 30,250円 | 25,300円 | 27,500円 | 54,780円 |
発熱量 | 2.5kW | 3.0kw | 2.50kW | 2.68kW |
デザイン | ベーシックなデザイン (ホワイト/ブラック) | ベーシックなデザイン (レッド/ブラック) | コラボモデル、カラバリ豊富 | レトロで独特なデザイン |
サイズ | 310×310×430mm | 405×350×350mm | 485.7×388×388mm | 388×405×551mm |
重量 | 5.6㎏ | 6.6kg | 6.2kg | 8.5kg |
タンク容量 | 4.1L (安全量 3.6L) | 5.0L (安全3.7L) | 4.9L | 4.1L |
連続燃焼時間 | 約10~12時間 | 約10時間 | 約20.2~40.2時間 | 15時間 |
その他特徴 | 納期1年以上 | JIHAをクリアした日本仕様に | モデルにより価格もバラバラ | BEAMSコラボあり |
それぞれの製品の特徴と、どんな人におすすめなのか、詳細を見ていきます。
フジカ ハイペット
総合力、バランスに優れたフジカのハイペットです。コンパクトな割に熱量もそこそこあり、デザインもベーシックな石油ストーブなので、1台目の石油ストーブとしてはどんな方にもおすすめできるモデルです。
ただし、デメリットは販路は直販の電話注文のみで納期は1年以上かかります。気長に待てる方向けの製品となります。

フジカハイペットの良い点
・コンパクトながら熱量十分、バランスに優れた優秀商品
・反射板付きモデルもあり
・灯油がこぼれない独自構造のタンク
フジカハイペットのイマイチな点
・電話でしか注文できない
・納期は1年以上
こんな方におすすめ
・今シーズンではなく来シーズン冬キャンプデビューしたい
・1年以上待ってでもフジカハイペットが欲しい
価格が気にならない方は二次流通品も出回ってはいます。
製品仕様詳細
型番 | KSP-229-21C-J2R |
発熱量 | 2.5kW |
暖房目安 | 木造8畳 (約13㎡) |
暖房方式 | 対流式(反射板あり) 遠赤外線 |
サイズ | 310×310×432mm |
重量 | 5.6㎏ |
タンク容量 | 4.1L (安全量 3.6L) |
耐震自動消化装置 | あり |
連続燃焼時間 | 約10~12時間 |
アルパカストーブコンパクト
発熱量が3.0kwと今回比較した商品の中では最大のアルパカストーブ。発熱量の割にはサイズはコンパクトに抑えられています。アルパカは韓国メーカーでこれまで日本の安全規格に適合していませんでしたが、2019年からは日本の安全規格JIHAをクリアしており、おすすめしやすくなりました。
フジカハイペットが欲しいけど1年は待てない…という方には特におすすめの商品です。

アルパカストーブコンパクトの良い点
・高い発熱量でメイン暖房として申し分なし
・価格もフジカより安く専用カバー付き
アルパカストーブコンパクトのイマイチな点
・反射板付きモデルはなし
こんな方におすすめ
・フジカがいいけど1年は待てない
・価格と発熱量のコスパを重視したい
製品仕様詳細
型番 | TS-77JS-c |
発熱量 | 3.0kW |
暖房目安 | 13~17㎡ |
暖房方式 | 対流式 |
サイズ | 405×350×350mm |
重量 | 約6.6kg |
タンク容量 | 5.0L (安全3.7L) |
耐震自動消化装置 | あり |
連続燃焼時間 | 約10時間 |
トヨトミレインボーストーブ
価格、発熱量、コンパクトさのいずれも突き出たものがないレインボーストーブですが、スペック上には現れない特徴があります。その名の通り七色に輝くレインボーの炎を味わえるのは本製品のみです。また、様々なブランドとのコラボレーション製品を出しており、人とかぶりにくいこだわりの一品を選びたい人にはぴったりの商品です。

トヨトミレインボーストーブの良い点
・ずっと見ていられるレインボーの炎
・コラボモデルが豊富で好みの1台が選べる
トヨトミレインボーストーブのイマイチな点
・サイズ感は若干かさばる
・通常モデルに比べコラボモデルは高め
こんな方におすすめ
・レインボーの炎がとにかく気に入った
・コラボモデルで自分にあった1台を選びたい
ここ数ヶ月では、スノーピーク、エヴァンゲリオン、ネイバーフッドとのコラボストーブを販売しています。
製品仕様詳細
型番 | RL-250 |
発熱量 | 2.5kW |
暖房目安 | 7〜9畳(11.5〜15㎡) |
暖房方式 | 対流式 |
サイズ | 485.7×388×388mm |
重量 | 約6.2kg |
タンク容量 | 4.9 L |
耐震自動消化装置 | あり |
連続燃焼時間 | 約20.2~40.2h |
アラジンブルーフレームヒーター
90余年もの間変わらないレトロなデザインのアラジンブルーフレームヒーターです。サイズも大きいですし重量も結構あります。正直キャンプにおいては扱いにくい商品ですが、この独特なデザインが醸し出す雰囲気はサイトを演出してくれることでしょう。

アラジンブルーフレームヒーターの良い点
・他社製品にはない独特なレトロデザイン
・美しい青い炎
アラジンブルーフレームヒーターのイマイチな点
・サイズ、重量ともに大型で扱いにくい
・価格も高め
こんな方におすすめ
・価格や機能性よりも雰囲気が大事
・車載に余裕がありサイズは大きくても問題ない
製品仕様詳細
型番 | BF3911 |
発熱量 | 2.68kW |
暖房目安 | 7〜10畳(11.5〜16.5㎡) |
暖房方式 | 対流式 |
サイズ | 551×388×405mm |
重量 | 約8.5kg |
タンク容量 | 4.1L |
耐震自動消化装置 | あり |
連続燃焼時間 | 15時間 |
まとめ
メイン暖房として使える石油ストーブがあると、冬キャンプも安心して過ごすことができます。私は昨年最終的にアルパカストーブを購入しました。後悔はないですが、コラボモデルが出るたびに購入意欲が刺激されます。石油ストーブのコラボモデルや新モデルは秋口に出ることが多いので、今年購入を検討されている方は今出ている商品から選べば後悔は少ないと思われます。
その他暖房器具に関する記事はこちら。
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