山井会長「スノーピークの会員制度を12月中旬までに再見直し」と発表

スノーピーク会員制度キャンプグッズ
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snow peak(スノーピーク)が先日発表した新しい会員制度ですが、発表後大きな発表と落胆の声が上がりました。それを受け、会長の山井 太氏がFacebookコミュニティ上で12月中旬までに制度を再見直しすると発表しました。詳細をレビューします。

アイキャッチ画像出典: Facebook

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2021年12月3日追記: 修正案が発表されました。

会員制度見直しの発表

2021年11月24日の13時ごろ、スノーピークの現会長山井 太氏がスノーピークのFacebookコミュニティ上で先日発表した会員制度の内容を見直すことを発表しました。

会員制度の変更について沢山のご意見ありがとうございます。みなさまの声は私達スノーピークの全役員社員に届いております。

みなさま、こんにちは。*tohruこと会長の山井太です。この度は、会員制度の変更について本当に沢山のそして率直で正直なフィードバックをいただきありがとうございます。スノーピークは、キャンプを通じて、またキャンプの力を使ってユーザーの皆様の人生がより豊かに笑顔に満ちたものになるようお手伝いをするのが唯一の存在理由だと思っています。またコミュニティブランドであるスノーピークは、ユーザーの皆様と一緒に日本のキャンプ文化を創って参りました。

会員制度の変更についてのご意見を一つ一つ読ませていただきました。私達の存在理由と真逆の、ユーザーの皆様の失望、悲しみ、お怒りが数多く表明されています。これは私達が目指している真北の方角と全く違う方角だと感じました。今回の会員制度の変更に不備があるせいだと理解致しました。代表者の一人として心から深くお詫びを申し上げます。スノーピークを永年に渡りご支持していただいてきたユーザーの皆様のご期待に背く変更をする訳にはいきません。

12月中旬頃までに失望品質では無く感動品質な会員制度の変更に改善して参ります。よろしくお願い申し上げます。ユーザーの皆様のためになる部分はそのままに、デメリットになる部分は大きく改善したいと考えています。また、今後の改善について事前にご意見をお聞きする場面もあると思いますのでよろしくお願い申し上げます。いつも沢山のご意見をありがとうございます。重ねて感謝申し上げます。

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急遽見直しすることになった背景

新しい会員制度を発表したのは2021年11月20日だったので、今回わずか3日間で見直しを決断、発表したことになります。その背景には何があったのでしょうか。

数多くのネガティブな意見

制度見直しのきっかけはユーザーからの猛烈なネガティブ反応です。

オンライン上では様々な声が上がりましたが、代表的なものを抜粋すると以下のような意見がありました。

否定派の主なコメント

・スノーピークはギアを長く大事に使う顧客よりも、常に買い替え買い足しをし続ける人を評価するのか?
・こつこつスノーピークのギアを買ってやっとブラック会員になったような人を見捨てるのか?ブラックまでいくとギアも一通り揃っていて年間50万円も購入するのは大変。
・ゼニーピークと比喩されても仕方がない。貧乏人は野遊びするなと言われているように感じる。

一方で肯定的な意見もありました。

肯定派の主なコメント

・そもそもギアの品質を評価して買っているのでランクがどうこうは関係ない。
・キャンプに行く場合はグッズ購入の半額でランク判定されるのが良い。
・ポイント交換商品は欲しい物がなかったので今後商品購入にも使えるは嬉しい。

「ユーザーの声を聞き、間違った経営判断をしても軌道修正するのは世界一早い」を実践した山井会長

以前山井会長はインタビューで、このようなコメントをしていました。

スノーピークウェイはそれ以来20年以上続いていて、小規模なものも含めるとキャンプイベント等の取り組みは年100回以上実施しています。そこで定点観測的なアンケートを取り続け、集めたユーザーの声をもとに改良しているので、時に間違った経営判断をしたとしても、その後の軌道修正はおそらく世界一早いと思います。

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今回の見直し発表により、新しい会員制度は間違った経営判断だったと公に認めてしまったことになりますし、こうなる前に社内で十分議論できていなかった、もしくはユーザーのことを十分に理解できていなかったと疑われてしまうことになりますが、間違いを認めて軌道修正をする早さは確かに早かったと言えるでしょう。

最終的に会員制度はどう見直される?

数年に渡り検討を続けた上で発表した新会員制度を、スノーピークは今後約3週間のうちにどのように改善していくのでしょうか。見直される制度内容について考察します。

上級会員数と会員特典は基本的にトレードオフ

今回一番批判の対象になったのは、プラチナ会員とブラック会員の会員ランク維持撤廃ですが、その背景には、上級会員が増えすぎて特典が維持できないという事情があります。しかしながら露骨に上級会員を減らそうとした今回の制度変更が炎上してしまったため、見直し案ではこのような策は取れなくなってしまいました。

今後発表される見直し案として考えられるのは以下3案だと予想します。

  • A) 上級会員を減らす→会員特典維持可能: 今回炎上し失敗したため可能性低い
  • B) 上級会員数を維持→会員特典も維持: 利益が減るため投資家から反発可能性あり
  • C) 上級会員数を維持→会員特典をダウングレード: 批判はなくならないが可能性高い

考えてみれば当然ですが、ユーザーが満足し、スノーピークも儲かり、投資家も喜ぶような三方良しの妙案など出てこないと思ったほうがよいでしょう。スノーピークが数年に渡って検討してきてあの制度が最良だと思って出したということなので、あと3週間足らずで完璧な制度が出る可能性は極めて低いです。

もっとも可能性が高いのは会員特典のダウングレード

今回プラチナ会員とブラック会員にランクダウン条項をつけてしまった点がもっとも批判の対象となったため、見直し案ではここを修正せざるを得なくなってしまうものと思われます。

ただしそうなると、プラチナ会員とブラック会員の数は減らないため、限定イベントへは倍率が高くて参加できない等の問題が解消されません。そのため、特にブラック会員向けの特典がダウングレードされる可能性が高いです。

  • イベント参加応募条件に購入金額●●円以上といような条件が加わる
  • カタログ送付などの無料特典がなくなる

など、会員であるだけで発生するコストの削減や、イベント運営圧迫を軽減するような条件が追加されることが予想されます。

心配なコーポレート広報体制

一方、心配なのはコーポレート広報の体制です。今回の見直し発表の第一報はスノーピークの企業アカウントからでもなく、現社長の山井 梨沙氏のアカウントからでもなく、会長の山井 太氏のアカウントから真っ先に発表されました。

投稿の約50分後に「僕から第一報を投稿させていただきましたが、もちろん梨沙社長を始めとする役員そして社員スタッフ全員の総意です。」とコメントを追記されていますが、会社からのメッセージなのであれば最初に新会員制度を発表した時のように、企業アカウントから今回の見直し発表も行った方が、会社からのメッセージと読み手も受け取りやすかったでしょう。

  • スポークパーソンが統一されておらず、経営の権限移譲がうまく進んでいないのではないか
  • 今回の会員制度改悪はやはり社長交代の影響があったのではないか

というような疑念を助長してしまうリスクがありますし、ユーザーに向き合う会長、あまり発信しない社長というようなイメージをユーザーに抱かれてしまわないよう、戦略的な広報活動が求められます。

まとめ

正直、今回の騒動でここまで迅速に見直しの発表が行われるとは予想していませんでした。ユーザーが思ったことをきちんとオンラインでも表明するということが、企業を動かすことにつながるというひとつの事例になったと言えるでしょう。一方で今後の見直し案がユーザーが求めているものに達しなかった場合、より一層炎上するリスクもあるため、見直し案の具体的な内容が注目されます。

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