【展示品レビュー】スノーピークのグランベルク 買うべきか見送るべきか

グランベルク キャンプグッズ
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snow peak(スノーピーク)の2021年新商品「グランベルク」ですが、スノーピークのこれまでの製品ラインナップにない大型シェルターである点と、その販売価格の高さから購入を迷っている方もいるのではないでしょうか。展示品のレビューを通じてどんな方にぴったりかご紹介します。

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2021年5月1日から販売された2021年新商品

既報の通り、グランベルクはスノーピークの2021年新商品で、これまでにない大型のシェルターです。

Mで20万円強、Lで26万円強という価格帯で、これまでにないシリーズということで、興味のある方でも発売直後に即刻購入という判断をするのは難しいかと思います。展示品のレビューを踏まえ、グランベルクを買うべきか否かについて考えてみます。

Lサイズはキャンプ場を選ぶ大きさ

グランベルクの実物展示を見た第一印象は、やはりその大きさです。写真で見るより大きく感じますグランベルクLの展開サイズは幅520cm、奥行860cmですが、ガイロープを張るスペースも必要なので、10×10mの区画サイトでも張るのは難しいと思われます。

グランベルク

普段行かれるキャンプ場に大きな区画サイトがある方や、フリーサイトにしか行かれない方の場合はより広く使えるLの方がよいでしょう。

グランベルク

グランベルクLとグランベルクMの価格差は6万円弱なので、サイトの大きさに縛られない方はLサイズの方が面積あたりの単価が安いLの方がお得感があります。

グランベルク

展示品はLサイズだったものの、実際に店舗でより多く売れているのはMサイズだそうです。

グランベルク

Mサイズで比較対象となっているのはランドロック

スノーピークのテント、シェルターの中でエントリーモデルの次におそらく一番売れているのがランドロックだと思いますが、グランベルクMの購入検討にあたり価格的に製品性においても比較対象になりやすいのがランドロックでしょう。

ランドロックとのスペック比較

サイズはグランベルクMが440×680×240cm、ランドロックが405×625×205cmとなっており、グランベルクMがランドロックより1周り大きいです。一方で構造上、グランベルクは端にいくにつれて高さが低くなり、ランドロックはドーム型なのである程度高さが保たれるという違いがあります。

グランベルク

細かくスペックを比較してみます。価格差は約3万円で、サイズ感の違い、ポリエステルの厚さや耐水圧などに若干の差があるものの、ファミリー用のテント、シェルターとしては非常に近いスペックになっています。

製品名グランベルクMランドロック
価格(税込)206,800円174,900円
サイズ440×680×240cm405×625×205cm
収納サイズ■キャリーバッグサイズ
本体/82×31×34(h)cm
インナールーム/77×21×24(h)cm
■キャリーバッグ
75×33×36(h)cm
■フレームケース
72×17×22(h)cm
重量24kg22kg
フライ耐水圧ミニマム値
2,000mm
ミニマム値
3,000mm(ルーフ部)
1,800mm(ウォール部)
ボトム耐水圧ミニマム値
耐水圧1,800mm
ミニマム値
耐水圧1,800mm
UVカット加工
材質■本体
300Dポリエステルオックス
PUコーティング耐水圧2,000mmミニマム
テフロン撥水加工
UVカット加工

■インナーウォール
75Dポリエステルオックス
テフロン撥水加工

■ボトム
グランドシート
210Dポリエステルオックス
PUコーティング耐水圧1,800mmミニマム

■メインポール
A6061(Φ30mm)

■サブポール
A6061(Φ17.5mm)
■本体
150Dポリエステルオックス
遮光ピグメント
PUコーティング耐水圧3,000mmミニマム
(ルーフ部)
UVカット加工
テフロン撥水加工
150Dポリエステルオックス
PUコーティング耐水圧1,800mmミニマム
(ウォール部)
UVカット加工
テフロン撥水加工

■フレーム
A6061(φ19mm)

■インナールーム
68Dポリエステルタフタ(ウォール)
210Dポリエステルオックス
PUコーティング
耐水圧1,800mmミニマム(ボトム)

グランベルクの構造の特徴

上記の点を踏まえた上で、グランベルクの外観、構造の特徴を見ていきます。スクエアタープにサイドウォールがついたような構造になっているグランベルクですが、短辺の方から見ると2ルームテントのように見えます。

グランベルク

直径30mmのメインポールを中央に3本、直径17.5mmのサブポールを両サイドに3本ずつ立てる構造になっています。タープを立てる感覚で設営できるという意味では、フレームを組み立ててスリーブに通す必要があるランドロックよりは設営が楽にできそうです。

一方でタープ形状ではあるので、グランベルクの耐風性はランドロックに劣るとスタッフの方はおっしゃっていました。両製品とも耐風テストなどの結果は公表されていないので、定量的な比較はできません。

グランベルク

寝室側も出入り口を設けることができ、フルオープンにすることも可能です。

グランベルク

新素材はまるでポリコットンのよう

グランベルクの本体素材はポリエステルですが、スノーピークで採用するのは初めての素材だそうです。これまでのスノーピークのポリエステル素材のようにテカテカ、サラサラしておらず、ザラつきのあるポリコットンのような質感の素材でした。厚みも300Dあり、ランドロックのポリエステルより厚くなっています。

グランベルク

あくまでポリエステルなのでポリコットンほどの遮光性は期待できないでしょう。内側から室内蛍光灯を写した画角の写真です。日光だとこれより光を通してしまうと思われます。UVカット加工はされています。

グランベルク

スタッフの方曰く、この新素材はグランベルクの売れ行き次第で他商品にも展開されるか決まるそうで、廃盤になってしまった場合はグランベルクが唯一の新素材商品となり、他商品にも展開される場合は、グランベルクが新素材対応一号商品となるため、いずれにせよグランベルクを購入するとレアな素材の商品を使っているという所有欲は満たされるとのことでした。

夏場の利用も想定された風通しへの工夫

ポリエステル素材ということで気になるのは夏場の幕内の温度上昇と結露発生ですが、グランベルクでは各所に風通しをよくする工夫が見られます。サイドウォールは巻き上げることもできますし、フルメッシュにすることができます。フルメッシュにすればタープのような使用感で使えるでしょう。

グランベルク

雨天時はサイドウォールを閉じることも可能です。

グランベルク

寝室となるインナーテントのサイドもメッシュにできるようになっています。

グランベルク

短辺の方の頂点には、2つずつ大型のベンチレーションがついています。

グランベルク

グランベルクは買うべき?見送るべき?

最終的に買うべきか、見送るべきか、私は以下のように考えました。

グランベルク

タープ形状で設営が楽で、開放感があるというのがグランベルクの最大の魅力です。キャンプ場で張ると、人とかぶることはまずないので、目立ちまくるでしょう。(スノーピークのキャンプフィールドは例外ですが)

まとめ

耐水性や遮光性などは店舗内展示ではわかりませんでしたが、生地の質感や実際のサイズ感を見る限りでは非常に完成度の高い製品だと感じました。高価格帯で新しい試みの商品ということもあり、まだ様子見されている方も多いと思いますが、じわじわヒットしてくる商品だと感じています。気になる方はぜひチェックしてみてください。

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