スノーピークの不倫・妊娠による社長交代で今後の展開はどう変わる?

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2022年9月21日株式会社スノーピークは代表取締役社長執行役員だった山井梨沙氏の辞任と、同日に会長の山井太氏社長兼務の発表を行いました。辞任の理由が不倫・妊娠ということもあり話題となりましたが、今回の社長交代により今後の展開はどのように変わるでしょうか。考察します。

アイキャッチ画像出典: snow peak

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センセーショナルな社長交代騒動

改めて今回の事案に関し、時系列で事実を整理します。

2022年9月21日: プレスリリースで山井梨沙氏の辞任を発表

2022年9月21日、突然以下のプレスリリースが発行され、前社長の山井梨沙氏が既婚男性との交際及び妊娠を理由とし取締役を辞任することと、山井梨沙氏の父でありスノーピーク社の会長でもある山井太氏が社長職も兼務することが発表されました。

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出典: snow peak

オンライン上では今回の発表に関して様々な憶測が展開

辞任の理由が不倫と妊娠というセンセーショナルなものであったため、プレスリリース発行後に各メディアが一斉に本件を報じました。プレスリリースに記載されている内容以外のことは同社からは一切発表がなく、記者会見なども開かれなかったため、本件に関し様々な憶測が飛び交いました。

特に、非常にネガティブな辞任理由をあえて公表した点について、

  • 週刊誌等のメディアで、さらなるネガティブな情報が出る前に先手を打ったのではないか
  • 不倫相手の配偶者との示談交渉の中で、本件について公表するよう要請がったのではないか

などの情報が出ているものの、いずれも裏付ける事実は出てきておらず、憶測の域を出ない情報です。

2022年9月24日: 誹謗中傷に対し法的処置を講じる準備をしていると発表

辞任のリリースが出た2日後の9月24日、インターネット上で本件公表とは無関係の誹謗中傷等に対し、スノーピーク社が法的処置を講ずる準備をしているという旨のプレスリリースが発行されました。

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具体的な誹謗中傷の内容については触れませんが、同社のアスタリスクロゴ(*)や、山井梨沙氏の容姿を中傷する内容などもあり、祝日であるにも関わらず広報担当者、IR担当者、法務担当者を稼働させて早急にこれらの行為を止めたかったという背景がありそうです。

実際に、プロバイダに対し発信者情報開示請求を行い、誹謗中傷行為を行った一人ひとりに対し損害賠償請求するのは時間もお金もかかるので現実的ではないでしょうが、誹謗中傷行為は許されるものではないので、心当たりのある方は当該投稿を削除されることをお勧めします。

社長在任期間中の山井梨沙氏の功績

2020年の3月に3代目社長に就任した山井梨沙氏ですが、今回の辞任により社長を務めていた期間は約2年半となりました。今回の騒動では辞任理由から人間性に焦点が当たってしまいましたが、経営者としての功績を振り返ってみましょう。

業績は右肩上がりで時価総額は一時1,000億円まで上昇

2019年12月期のスノーピーク社の売上は143億円でしたが、2021年12月期には257億円まで伸長しています。2年間で約1.8倍と大幅成長しています。この業績を受け、2021年8月には一時時価総額が1,000億円を超えました。

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山井太氏が築いてきた事業の仕込みがたまたま山井梨沙氏の社長就任後に花開いただけ、キャンプブームやコロナ禍におけるアウトドアアクティビティー回帰の波に乗れただけなどという見方もありますが、社長在任期間中に業績を伸ばしたことは事実なので功績と言えるでしょう。

アパレル事業により多角化に成功

山井梨沙氏の直接功績としてアパレル事業の立ち上げとその成長があげられます。スノーピーク社は過去に二度アパレル事業に参入して失敗しているものの、2014年に山井梨沙氏が再び立ち上げ軌道に乗せました。

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2021年12月期のアパレル事業の売上は26億円となっており、全社売上に占めるアパレル事業の割合は10%にまで達しています。あくまで売上の比率であり、セール時にはとんでもない割引率で叩き売られている状況を見ると利益貢献は大きくないかもしれませんが、過去に二度失敗した事業をきちんと立ち上げ、キャンプ用品以外の新規事業として多角化に成功した点は功績と言えるでしょう。

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大炎上した古参ファンを失望させる会員制度

3点目は功績ではなく罪過ですが、2021年12月にこれまでスノーピークを支えてきたファンを失望させる会員制度の見直し事案は記憶に新しいでしょう。

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奇しくも炎上直後に山井太氏がFacebookコミュニティ上で制度の見直しを行うといの一番にコメントしてしまったことから、制度の改悪は山井梨沙氏が主導したものだという印象がついてしまい、特に古参ファンからは失望の念を抱かれてしまいました。

社長交代によるファンの期待と今後の展開

今回の騒動を受け、山井太氏が再び社長になることで「あの頃のファンを大事にしてくれていたスノーピーク」に戻ってくれるのではないか?という期待がインターネット上では広がっています。

具体的な期待の内容としては、

  1. キャンプ用品事業への集中
  2. 魅力的なキャンプ用品の開発
  3. ファンを大切にする姿勢とその制度

に対しての期待コメントが多くありました。スノーピークファンの期待は社長交代により叶えられるでしょうか?その可能性について推察します。

1. キャンプ用品事業への集中

実現期待度:

「アパレルや家具なんかに手を出さずにキャンプ用品の開発に注力して欲しい」「事業の多角化により、以前ほど魅力的なキャンプ用品が出てきていない」などの期待や不安がある一方、残念ながら経営資源をキャンプ用品事業に集中させるという事は起こる可能性が低そうです。

日本のキャンプ人口は増加傾向にあるものの年数%程度の成長率で、爆発的に市場が伸びることはありません。客数を伸ばせないとすると単価や購入頻度を上げるしかありませんが、スノーピーク製品は他メーカーより既に高価で、購入頻度も壊れにくいという製品の性質上、頻度を上げる難易度は高いです。

アパレル事業が利益貢献しているのであれば社長交代後も継続注力されますし、利益貢献していない場合は、キャンプ用品事業ではなく海外展開など、成長率の高い事業へ経営資源が割り振られるでしょう。中計では2024年までに海外売上比率を40%まで引き上げるとしています。

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2. 魅力的なキャンプ用品の開発

実現期待度:

「スノーピークの新製品は高いだけで購入意欲がそそられない」「雪峰祭の限定品は既存製品の色違いばかりで以前ほどワクワクしない」などの声がありますが、社長交代によりファンが喜ぶような魅力的な製品が開発されるかは未知です。

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社長レイヤーがどれくらい製品開発に関与しているかわかりませんが、ファンの声を聞いて製品化するというプロセスで再び魅力的な製品を世に出してもらいたいものです。ただし既に2023年のラインナップは決まってしまっているので、社長交代による好影響を確認できるのは2024年の新商品からとなるでしょう。

3. ファンを大切にする姿勢とその制度

実現期待度: 低〜中

心情的に古参ファンがもっとも気にしているのは本件です。姿勢の面では山井太氏が社長に戻ることでの期待感は高く、安心できるでしょう。

一方でその姿勢を会員制度という金銭と連動する仕組みにフェアに落とし込めるか?という難易度は高いです。元々会員制度を改悪せざるを得なかった背景は、「累計購入額の高い古参会員がスノーピーク製品を新たに買い続けず、特典コストなどがかかりすぎていた」点であり、これを解消しない限りは破綻する制度になります。

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一旦はランクダウンの仕組みを撤廃することで炎上は鎮火しましたが、特典コストの削減によって上級会員の満足度が下がる可能せいは高く、どのように制度をメンテナンスしていくかという課題が残っています。

三井住友カードの提携カードとして発行する予定だった「スノーピーククレジットカード」の進展がないのも、制度をどう成り立たせるか答えが出せていない証拠でしょう。

まとめ

今回授かったお子さんが、10数年後に母親の名前をインターネット上で検索して本騒動を目にした場合どんな気持ちになるかを想像すると、辞任理由は「一身上の都合」と留めることはできなかったのか甚だ疑問ですが、その真相は明らかにされることはないでしょう。スノーピーク社の株価も記事執筆時点では下落することなくマーケットは社長交代をポジティブに捉えています。製品や現場で働く社員の方々に罪はないので、今後もより良い製品をファンに届けていっていただきたいです。

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