ZANE ARTS(ゼインアーツ)が資材の高騰、急激な円安、物流コストの上昇の影響などを理由に2023年の製品価格を改定することを発表しました。2023年3月1日より新価格が適用されます。詳細をレビューします。
アイキャッチ画像出典: ZANE ARTS
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2023年 キャンプ・アウトドアメーカー値上げ情報まとめ
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製品価格改定の理由
今回の価格改定の理由は「資材の高騰、急激な円安、物流コストの上昇の影響など」と説明されています。2022年には直接的な値上げは最小限に抑えられて、今回の値上げも値上げ率は最小限に抑えられています。
製品価格の一覧
価格改定は2023年3月1日からです。具体的にどの製品がいくら値上げされるのか、以下に一覧化します。
全体的な傾向としては、以下のようなことが言えます。
- 対象は109製品
- 値上率は5〜16%、平均値上率は9%
- 値上額は55〜14,960円、平均値上額は2,807円
品名 | 旧価格 円(税込) | 新価格 円(税込) | 値上げ額 円(税込) | 値上げ率 |
---|---|---|---|---|
ゼクーM | 84,480 | 89,980 | 5,500 | 7% |
ゼクーMインナーテント | 21,780 | 23,980 | 2,200 | 10% |
ゼクーL | 98,780 | 107,580 | 8,800 | 9% |
ゼクーLインナーテント | 21,780 | 23,980 | 2,200 | 10% |
ギギ1 | 43,780 | 47,850 | 4,070 | 9% |
ギギ1インナーテント | 15,180 | 16,280 | 1,100 | 7% |
ギギ2 | 65,780 | 69,960 | 4,180 | 6% |
ギギ2インナーテント | 21,780 | 23,980 | 2,200 | 10% |
オキトマ2 | 64,790 | 69,960 | 5,170 | 8% |
ロロ | 149,930 | 164,890 | 14,960 | 10% |
ゲウ | 44,880 | 47,850 | 2,970 | 7% |
ジザイφ4ガンメタ | 748 | 825 | 77 | 10% |
アップライトポール150 | 3,960 | 4,345 | 385 | 10% |
グラートハンマー | 4,620 | 4,983 | 363 | 8% |
グラートステイク18 | 352 | 352 | 0 | 0% |
グラートステイク28 | 462 | 462 | 0 | 0% |
グラートステイクラックコヨーテ | 6,985 | 6,985 | 0 | 0% |
モビボックスコヨーテ | 4,950 | 5,478 | 528 | 11% |
ジグ | 4,983 | 5,368 | 385 | 8% |
オズハンガー | 7,678 | 8,338 | 660 | 9% |
コズハンガー30 | 2,728 | 2,728 | 0 | 0% |
コズハンガー32 | 2,728 | 2,728 | 0 | 0% |
コズホルダー30 | 4,378 | 4,378 | 0 | 0% |
コズホルター32 | 4,378 | 4,378 | 0 | 0% |
チタニウムシェラカップ | 1,980 | 1,980 | 0 | 0% |
ステンレスシェラカップ | 1,045 | 1,100 | 55 | 5% |
スタッキングタンブラーシルバー | 1,045 | 1,210 | 165 | 16% |
スタッキングタンブラーブラック | 1,155 | 1,320 | 165 | 14% |
ルーブスプーンダークグレー | 110 | 110 | 0 | 0% |
ルーブフォークダークグレー | 110 | 110 | 0 | 0% |
ルーブスポークダークグレー | 110 | 110 | 0 | 0% |
カッテイングステッカーブラック | 550 | 550 | 0 | 0% |
カッティングステッカーホワイト | 550 | 550 | 0 | 0% |
スクェアステッカーブラック | 220 | 220 | 0 | 0% |
※ロガ4は廃番、ダイニーマロープφ2ブラック、PPロープφ4ブラック、ジザイφ2シルバーは在庫がなくなり次第終了。
お知らせ欄のメッセージに垣間見えるゼインアーツの本音
今回の値上げ発表を伝えるお知らせ欄には、値上げ対象の商品と価格の一覧だけでなく、値上げに至った背景について代表の小杉敬さんからのメッセージも記載されています。
直販開始は値上げを回避するためだった
2022年11月27日に、ゼインアーツの公式オンラインショップが突如オープンしました。以下のメッセージによると、直販は元々「やらない事」とゼインアーツでは定義していたものの、値上げを回避するために行うに至ったという背景だそうです。
残念ながらゼインアーツの直販開始に伴い、一部の販売店は取り扱いを終了してしまいましたが、ほとんどの代理店が取り扱いをやめていないのは、1社1社に直接説明をして背景に関して理解を得られたということなのでしょう。
そんな中「私達のアウトドア用品は決して値上げをしてはならない。」という生活者目線で、ペグをセット内容から削除するなどで価格を据え置きとし2022年を迎えましたが、年始早々から急激な円安に突入してしまい、そもそもギリギリの利益設定をしている私達の経営は一気に赤字に転落しました。
期中にも関わらず各社異例の価格変更発表。私達もなりふり構ってられない状況ではありましたが、それでも何か策は無いかと考え抜いた末、創業当初より「やらない事」としていた「直販」を決意しました。私達は物作りのプロとして、販売は販売のプロに任せ、物作りに集中したかったのです。
しかしながら、弊社が掲げる「良いものを適正価格で。」は私達の創業の原動力でもあり、それを維持するためにも、直販を実行する必要がありました。ディーラー様1社1社に直接ご説明をして、弊社の状況をご理解いただいた上、2022年12月にオンラインショップをオープン。何とか価格を守りつつ利益の帳尻を年末に合わせる事ができました。ディーラーの皆様には本当に感謝しております。
出典: ZANE ARTS「価格改定のお知らせ」
貫かれる「良いものを適正価格で。」のコンセプト
メッセージの節々から「本当は値上げをしたくなかった」という強い思いが滲み出ています。その強い思いの背景には、ゼインアーツの製品コンセプト「良いものを適正価格で。」を貫きたいということなのだと推察されます。
「適正価格」の定義は人それぞれだと思いますが、今回の値上げやその背景をユーザーはどう受け止めるでしょうか?他メーカーの動向と比べると大いにポジティブに受け入れられると思われる一方、「経営を圧迫してまで価格を抑えなくてもいい」「販売価格が製品の品質の割に安すぎるのでもっと高く値付けしてもらってもよい」と感じるユーザーもいるのではないでしょうか。
ですが、今もなお続く資材の高騰は、既にその努力も帳消しにするインパクトになっております。こうなったら素材を変えてしまおうか、など大胆な策も含めジタバタと考えてみましたが、どのアイデアも現実的では無く、残念ながら価格改定という苦渋の決断をせざるを得ない状況となりました。
私達も非常に悔しい思いではございますが、ゼインアーツを存続させるために、2023年3月1日より価格を改定させていただきます。努力が至らず本当に申し訳ございません。
出典: ZANE ARTS「価格改定のお知らせ」
価格は改定いたしますが、製品コンセプトの「良いものを適正価格で。」は変わらず持ち続け、今後も試行錯誤してまいります。
まとめ
2023年は販売価格の維持ができず値上げとなってしまったゼインアーツですが、他社と比べると非常に低い値上げ率に抑えられています。メーカー側がこれだけ努力して価格を抑えながらも、現状は需要に大して供給が大幅に足りておらず、転売を行う人が大幅に儲けてしまっているという状況になってしまっています。
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