DODのソロ用タープ「オーマイロンリナイイッツマイライフタープ(通称オーマイタープ)」の通常モデルが約23%OFFの9,350円(税込)、そのTCモデルが約13%OFFの15,400円(税込)で値引販売されることが発表されました。本製品はなぜ売れなかったのでしょう。原因を考察します。
アイキャッチ画像出典: DOD
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オーマイロンリナイイッツマイライフタープ(通称オーマイタープ)とは?
オーマイロンリナイイッツマイライフタープ(通称オーマイタープ)とは、DODが2020年の11月に発表したソロ用タープです。テントを覆いやすいウィング型のソロキャンパーにターゲットを絞った商品でした。
販売不振により値下げキャンペーンを実施
2021年9月6日に、DOD公式Twitterから「#土俵際のこってのこってキャンペーン第2弾」と題し、廃盤の危機を避けるため特別価格で販売を行うキャンペーンについてアナウンスがありました。
キャンペーン詳細
キャンペーン期間: 2021年9月6日〜9月21日
販売価格(オーマイタープ): 9,350円(税込)【割引率: 約23%】
(※通常販売価格:は価格は12,100円(税込))
販売価格(オーマイタープTC): 15,400円(税込)【割引率: 約13%】
(※通常販売価格:は価格は17,600円(税込))
「土俵際のこってのこってキャンペーン」は先日のスパイダーベースに続き2商品目となり、DODは数週間で非常に活発に在庫処分活動を行っています。そして、キャンペーン開始タイミングは異なるものの、キャンペーン終了タイミングはいずれも9月21日となっています。これは運営会社のビーズ株式会社が9月決算だからなのでしょう。
オーマイタープはなぜ売れないのか?
2020年はソロキャンプが流行語大賞にノミネートされたこともあり、ソロキャンプ人口は増加傾向にあります。そんなソロキャンパー向けに特化した本商品は、的確にニーズを捉えていれば人気が出たはずです。実際に使っている方の満足度も高いと思っていました。ではなぜ多くの消費者にこの商品が受け入れられなかったのでしょうか?考えられる要因を考察してみます。
考察1: ソロキャンプのスタイル多様化により小川張りニーズが限定的になった
数年前はソロキャンプ用テントと言っても選択肢がそれほど多くある訳ではなく、小型のドームテントを選ぶ方が主流だったかと思います。小型のドームテントは前室がないか、あっても極めて狭く、リビングスペースが広く取れないため、小型のタープを張るというスタイルにされる方も多かったと思います。
しかしながらこの数年でソロキャンプのスタイルも多様化し、選べる商品も非常に豊富になりました。DOD自身もパップテントのソロソウルウォウウォウや、
ソロ用のトンネル型テントカマボコテントソロなどを販売しているので、この多様化は認識していたはずですが、想定よりもマーケットの動きが早かったのかもしれません。
オーマイタープは延長ベルトによってタープでテントを一部覆うことができるいわゆる小川張りができる点を強みとしていますが、そもそもドームテントを使わないという人が増えるとこのメリットは響かないということになります。
考察2: 価格設定と自社製品との競合
スパイダーベースでもそうでしたが、やはり自社製品との競合要因が大きいのではないでしょうか。
製品名 | 販売価格(税込) | サイズ | 形状 | 素材 | ポール |
---|---|---|---|---|---|
オーマイタープTC | 17,600円 | W445×D385cm | ウィング | TC | 別売 |
ヘーキサタープ | 15,700円 | W420×D420cm | ヘキサ | TC | 別売 |
いつかのタープ | 12,800円 | W420×D410cm | ヘキサ | PE | 同梱 |
オーマイタープ | 12,100円 | W445×D385cm | ウィング | PE | 別売 |
DODのタープ製品は11商品あり、もうこの時点でたくさんあって選びづらいのですが、ソロ用に使えそうなサイズの商品でも上記のように素材や形状の違いで4商品から選択する必要があります。
オーマイタープはいつかのタープとほとんど価格が変わらずポールが別売りになってしまい、それと引き換えにデイジーチェーン等の付属品が付きウィング形状というメリットを教授できますが、多くの人はいつかのタープを選んだのだと思われます。
オーマイタープTCはTC素材ですが、同じTC素材でサイズ感も近いヘーキサタープが約2,000円安く購入できるので、多くの方がヘーキサタープを選んだのでしょう。
考察3: 中途半端な付属品類
オーマイタープには以下の付属品が同梱されています。
キャリーバッグはついていて欲しいですし、ロープも大した原価でないので取り付けた状態にしておいて欲しいですが、ペグは本当に同梱する必要があったのでしょうか。これ1つで追加購入不要とする売り方をするのであればポールも同梱販売すべきですし、そうでないのならば同梱品は必要最低限にして販売価格を下げた方がユーザーは選びやすかったと思います。
まとめ
スパイダーベースはともかくとして、オーマイタープは比較的売れていると思っていたので今回のキャンペーンは意外でした。決算前に在庫処分セールをするというのは企業として健全な活動ですし、良いと思うのですが、定価でオーマイタープを買った方は複雑な心境になりますね。気になる方はぜひチェックしてみてください。
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