snow peak(スノーピーク)の55品番が2023年をもって生産終了し、現在の在庫が終了次第販売を終了することが2023年12月11日に発表されました。中には発売されたばかりの2022年の新商品なども含まれます。詳細をレビューします。
アイキャッチ画像出典: snow peak
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生産終了する55品番の詳細
2023年をもって生産終了するとアナウンスされた55品番は以下の通りです。55品番中47品番はここ5年(2018年以降)の新商品として発売されたもので、中には先日発表されたばかりの2023年新商品も含まれます。
品番 | 品名 | 発売時期 |
---|---|---|
SD-180 | トヤ 2 | 2022年新商品 |
SDI-101 | ヘキサイーズ1 | 2019年新商品 |
SDI-101-IV-US | ヘキサイーズ1 アイボリー | 2022年新商品 |
SSD-730-IV-US | ラゴ1 アイボリー | 2023年新商品 |
TP-450IR | スピアヘッドPro.L インナーテント | 2018年新商品 |
TP-512IR | リビングシェル インナールーム | |
TP-511 | HDタープシールド メーヴェL | 2021年新商品 |
SET-925 | エントリーパックTS | |
TP-450 | スピアヘッドPro.L | 2018年新商品 |
TP-781 | グランベルク M | 2021年新商品 |
TP-925 | メッシュシェルター | |
TP-091 | ウッドポール280CM | 2021年新商品 |
TP-092 | ウッドポール240CM | 2021年新商品 |
TP-096 | ウッドポール120CM | 2021年新商品 |
UG-450 | ステークショルダーバッグ | 2020年新商品 |
BD-080 | セパレートシュラフマットプラス | 2022年新商品 |
SDI-101-1 | ヘキサイーズ1 グランドシート | 2019年新商品 |
TM-450 | スピアヘッドPro.L インナーマット | 2018年新商品 |
TM-781 | グランベルク M インナーマット | 2021年新商品 |
TP-450-1 | スピアヘッドPro.L リビングシート | 2018年新商品 |
TP-512IR-1 | リビングシェル インナールーム グランドシート | |
LV-073KGY | FD KID’Sチェア グレー | 2018年新商品 |
LV-115 | グランドパネルチェア | 2020年新商品 |
ES-080-BK | HOME&CAMPランタン ブラック | 2021年新商品 |
ES-080-IV | HOME&CAMPランタン アイボリー | 2021年新商品 |
ES-080-KH | HOME&CAMPランタン カーキ | 2021年新商品 |
ES-090 | スポットほおずき | 2020年新商品 |
LV-311 | ステンレスキッチンテーブル トップ | 2019年新商品 |
GR-006 | グリルプレート黒皮鉄板 | |
CS-019 | HOME&CAMPクッカー19 | 2020年新商品 |
CS-026 | HOME&CAMPクッカー26 | 2020年新商品 |
CS-095 | スモークマイスター モクーモ | |
CS-218 | サーバースプーン | 2021年新商品 |
CS-219 | サーバーフォーク | 2021年新商品 |
CS-310 | コロダッチリフター | |
TW-110 | 土鍋膳ワンセット | 2020年新商品 |
MGC-054 | ダブルマグ300用シリコーンリッド | |
MGC-055 | ダブルマグ450用シリコーンリッド | 2020年新商品 |
TW-111 | ミラープレート | 2021年新商品 |
TW-270-GY | トバチ2 グレー | 2022年新商品 |
TW-270-WH | トバチ2 ホワイト | 2022年新商品 |
TW-271-GY | トバチ3 グレー | 2022年新商品 |
TW-271-WH | トバチ3 ホワイト | 2022年新商品 |
TW-272-GY | トバチS グレー | 2022年新商品 |
TW-272-WH | トバチS ホワイト | 2022年新商品 |
TW-273-GY | トバチM グレー | 2022年新商品 |
TW-273-WH | トバチM ホワイト | 2022年新商品 |
TW-351-AS | ステンレス真空ボトルタイプM350アッシュ | 2021年新商品 |
TW-351-RC | ステンレス真空ボトルタイプM350レッドクレイ | 2021年新商品 |
TW-520 | ボトルキャリア | 2021年新商品 |
TW-800-PI | オーロラボトル800ピンク | 2021年新商品 |
TW-800-YL | オーロラボトル800イエロー | 2021年新商品 |
UG-148 | トバチ用ショルダーケース | 2022年新商品 |
UG-185-BR | タクバコ ブラウン | 2022年新商品 |
UG-185-GY | タクバコ グレー | 2022年新商品 |
生産終了が惜しまれる製品
生産終了対象となった製品の中でも、今後手に入らなくなることが非常に惜しまれる製品をピックアップします。
ライトピクニック層を狙った2022年新商品
生産終了となったトヤ2、タクバコ、トバチシリーズですが、これらはいずれも「パークキャンピング」という名称でいわゆるライトピクニック層を狙った商品でした。
「キャンプはしないが公園ではポップアップテントを張ってピクニックする」という層はそれなりにいて、スノーピークの競合他社もこの分野で一定シェアを獲得していることから参入を目論んだものと思われます。
しかしながらこれらの製品はカラーやサイズ展開を絞る訳ではなく、全商品生産終了ということでさながら完全撤退の様相です。公園でピクニックをする層に対して販売する価格帯が間違っていただけで、需要は底堅くあるはずなのでこの撤退は非常に残念です。
自宅需要も狙ったHOME&CAMPシリーズ
スノーピークには、ゴトクを収納でき筒状にして置けばインテリアの雰囲気を壊さないという点が大ヒットしたHome&Campバーナーという製品があります。2019年に登場し、わずか5ヶ月で4.5万台売り上げました。
「自宅でもキャンプでも使える」というコンセプトを継承し、2020年にはHOME&CAMPクッカーが登場しました。「家で下ごしらえをしたら、鍋のまま持ち出せる。アウトドアでの調理を手軽にする新クッカー。」という謳い文句で登場しましたが、夏場の衛生面の心配もあり、想定通りの売れ行きには達しなかったものと思われます。
2021年には「キャンプ場のように家の中でも灯りを持ち歩く体験を。」という訴求でHOME&CAMPランタンが登場しました。大幅値引きしている現状でも在庫が残っているところを見ると、シンプルにランタンのスペックに対する価格競争力が市場において劣っていたということなのでしょう。
今後アフターコロナにおいて「HOME&CAMP」というコンセプト自体に賛同するユーザーがどれだけいるかと問われると非常に雲行きが怪しく、このシリーズ自体が今後登場しない可能性も高そうです。
今後の製品展開で起こりそうなこと
これまでもスノーピークではひっそりと一部製品の生産終了させたり、大規模なアナウンスもなくカタログ落ちしていた製品がありました。これだけの製品数の生産終了を大々的にアナウンスする背景は、業績改善のための選択と集中だと推察されます。本件を踏まえ、今後の製品展開で起こりそうなことを予想します。
大型商品は3年、小型商品は叩き売りりがディスコンの予兆
日経クロストレンドの取材に対し、かつてスノーピークの未来開発本部長だった吉野真紀夫氏が以下の用に回答しています。
(ゼッカの)価格は28万8000円(税込み)と高額だが、展示会などで顧客からの評判は良い。ただ「こういった新しいコンセプトの商品はすぐには浸透しにくい」と吉野氏。実際、今では同社の定番となっている商品の多くも、発売から2~3年は売れない時期もあったという。
「もちろん会社としては、売り上げの初速は気になるところではあります。ですが、こういった提案型の商品は、一部のコアなスノーピークファンの方がまず使い始めてくれて、そこからほかのユーザーに浸透していく。過去にこうした経験を何度もしてきているからこそ、じっくりと育てていくという気概があるんです」(吉野氏)
引用元: 日経クロストレンド スノーピークのものづくりDNA 市場は「創造」するもの
吉野氏が未来開発本部長の職どころか20年以上務めたスノーピークを退社されてしまったので、この哲学が現在も継承されているかは定かではありませんが、「過去の定番製品も2〜3年は売れなかったのでじっくり育てていく気概がある」「一方で、スピアヘッドPro.L、グランベルクなどはラインナップの整理が今回行われた」ということから、特に高額な大型商品は3年以上経過すると何らかの判断が入るものと予想されます。
上記のインタビューで取り上げられたゼッカは2022年の新商品なので、判断が行われるとすると2025年あたりでしょう。
また、HOME&CAMPランタン、ヘキサイーズ1、HDタープシールドメーヴェLの3製品に関しては、2023年9月に突如始まった「65周年感謝価格」という価格改定の中で大幅値引きされていました。
順調に売れている製品はこのように在庫処分のための値引きを行う必要はないため、突如大幅な値引きが入った商品は生産終了の可能性が高いと言えるでしょう。
複数サイズ展開は減る
今回のアナウンスにおいて、グランベルクMは生産終了となりましたが、グランベルクLは今のところ終了のアナウンスがされていません。
特に高価なテントやシェルターなどの製品群において、今後は多サイズ展開は行われず、1サイズのみで売れ行きを見て、その後多サイズ展開を行うという流れになると思われます。
奇抜カラーは登場しない
今回の生産終了製品の中には、ステンレス真空ボトル、オーロラボトルなどで一部のカラーのみを生産終了し、カラー展開を絞る動きが見られます。
今後の新商品展開において、5色以上のカラフルな製品展開は控えられ、鮮やか過ぎて販売数が伸びなさそうなカラーの登場は減ると予想されます。発売当初はベーシックな数色展開に留め、売れてきたら新色追加、もしくは雪峰祭で限定カラーを売るというような展開になるでしょう。
まとめ
長らく業界を牽引してきたスノーピークですが、昨今の業績不振を背景に製品ラインナップの整理が行われることになりました。ここ数年で次々と登場した新商品が軒並み生産終了してしまうということで、特に対象商品を購入したユーザーにとっては非常に残念なアナウンスです。気になる方はぜひチェックしてみてください。
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