元snow peak(スノーピーク)の取締役小杉敬さんが独立して立ち上げた新進気鋭のアウトドアブランドZANE ARTS(ゼインアーツ)。2021年の新作テントとしてゼクーL、オキトマ2が登場する予定です。詳細をレビューします。
アイキャッチ画像出典: ZANE ARTS
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Follow @Camp__Review2021年7月20日更新: ゼクーLの発売日が7月30日とアナウンスされました。
ゼインアーツとは?
株式会社スノーピークで取締役を務めていた小杉敬さんが独立し、長野県松本市で2018年に創業したのが株式会社ゼインアーツです。「座して半畳、寝て一畳」の座(ZA)と寝(NE)からZANE ARTS(ゼインアーツ)という社名にしたそうです。
2019年に市場投入した同社のテントは初回ロットが瞬く間に完売し、デザイン性の高さ、スペックの高さの割に価格が高すぎない点がユーザーにとても高く評価されました。特にゼクーMは2020年のグッドデザイン賞を受賞するに至るほど、人気商品となりました。
また、小杉敬さんはアウトドアショップA&Fが手掛けるSABATICAL(サバティカル)のプロダクトデザインも手掛けており、こちらのテントやシェルターも非常に人気で、抽選販売の度に申し込みが殺到するという事態になっています。
このように、キャンプ業界で今最も注目を集めるゼインアーツから、2021年の新商品が発表されます。今回はその中からゼクーLとオキトマ2について詳細をレビューします。
ゼクーLの特徴
ゼクーLの主な特徴を見ていきます。
ゼクーMと形状は同じでサイズアップ
ゼクーMの幅440×奥行き380×高さ250cmサイズに対し、ゼクーLは幅540×奥行き468×高さ285cmとなっており、幅を100cm、奥行きを88cm、高さを35cmサイズアップさせています。
4人家族でゼクーMを使っていると若干手狭感があり、ファミリーキャンパーからはLサイズの登場が切望されていました。(元々商品名にMとサイズが入っていたことからも、初回設計段階でLサイズの登場が予定されていたものと思われます。)ゼクーLは居住空間がとても広くなるので、ファミリーキャンパーにも絶大な支持を得られそうです。
インナーはハーフインナーとなり2ルームテントとして使える
ゼクーMのインナーテントは、ホームベースのような形状で、六角形の本体に対し五角形になっており、テント内部の9割を占めるような形になっていました。(下図、写真参照)
一方でゼクーLはサイズが大きくなったことで、インナーテントもここまで本体の面積を専有する必要はなくなり、六角形の半分を占めるようなハーフインナーのような形状になりました。これにより、六角形の残り半分をリビングスペースとして、2ルームテントのように使えるようになっています。
変形ワンポール形状はそのままで組み立てやすさは維持
1本のポールを立てた後、エクステンションフレームで3面を立ち上げるという変形ワンポール形状はゼクーMと変わらず、設営、撤収のしやすさは維持しています。
インナーテントは別売りですが、リビングシートは付属しています。ゼクーMのリビングシートと同様、五角形の形状をしているので、設置した後に土間スペースが生まれるようになっています。
販売価格(本体): 89,800円(税別)
販売価格(インナー): 19,800円(税別)
製品仕様詳細
本体×1
75Dシリコーンポリエステルリップ・遮光PU加工(耐水圧1,500mm)
リビングシート×1
150Dポリエステルオックス・PU加工(耐水圧1,500mm)
センターポール×1
A6061・φ32mm・全長285cm
エクステンションフレーム×3
A6061・φ16mm
トライアングルハンガー×1
ポリプロピレン
Yペグ×12
ジュラルミン・25cm
3.5mロープ×15
ポリプロピレン・φ4mm
2mロープ×3
ポリプロピレン・φ4mm
キャリーバッグ/ポールケース/ペグ・ロープケース×各1
150Dポリエステルオックス
ゼクーLのここが気になる
結露問題とTCバージョンの発売可能性
ゼクーMもゼクーLも、本体素材はポリエステルであるため基本的には結露は避けられないものと思われます。実際にゼクーM利用者のレビューでも結露に関するネガティブなものがあり、ゼクーLでも同様の問題は発生するでしょう。
そこで気になるのがゼクーL T/Cのような、ポリコットン素材を使ったモデルの登場可能性です。ゼインアーツの代表小杉敬さんはサバティカルのテントのデザインも手掛けており、直接競合しあわないようポリエステル素材はゼインアーツから、ポリコットン素材はサバティカルからリリースるようにしている可能性もあり、今後の商品展開が気になります。
オキトマ2の特徴
オキトマ2の主な特徴を見ていきます。
1〜2人用トンネル型テント
オキトマ2はゼクーLと違い、前作のない完全新規のテントです。(2はおそらく2人用の2だと思われます。)オキの耳、トマの耳というふたつのピークをもつ双耳峰・谷川岳からとった名前だそうです。
形状としてはトンネル型のテントに分類されると思いますが、ゼインアーツらしく、張り出した底面近くの側面をエクステンションフレームで立ち上げるような構造になっています。
1〜2人用のテントということで、インナーテントを使えば寝室とリビングを分けられますし、インナーテントを使わなければ、シェルターとして使うこともできます。
寝室、リビングスペースは前後に配置
特徴的なのは寝室とリビングを前後で使う点でしょう。トンネル型テントの多くはインナーテントを左右どちらかに配置しますが、オキトマ2では縦方向、前後につける構造になっています。トンネル型テントでありながら使い方はパップテントのような空間の使い方になります。
自立形状で1人でも設営簡単
オキトマ2自体は自立する構造になっており、ソロキャンプで使う際も1人で設営しやすい構造になっています。エクステンションフレームで立ち上げたサイド部分にもメッシュパネルがあり、テント内の通気性を高めています。
販売価格(本体): 54,500円(税別)
製品仕様詳細
本体×1
50Dシリコーンポリエステルリップ・遮光PU加工(耐水圧1,500mm)
インナーテント×1
ウォール:20Dポリエステルリップストップ/ボトム:70Dナイロンタフタ・PU加工(耐水圧1,500mm)
フットプリント×1
75Dポリエステルタフタ・PU加工(耐水圧1,500mm)
フレーム長×2/ブリッジフレーム×2
A7071・φ11mm
フレーム短×2
A7071・φ9.5mm
Vペグ×20
ジュラルミン・17cm
2.5mロープ×12 / 1.5mロープ×4
ダイニーマ・リフレクター仕様・φ2mm
リペアパイプ×1
A7001
キャリーバッグ/ポールケース/ペグ・ロープケース×各1
150Dポリエステルオックス
オキトマ2のここが気になる
インナーテントは付属?
グラウンドシートのような前室用のフットプリントは付属、前面フラップの跳ね上げ用のキャノピーポールは別売りになるようです。一方でインナーテントは付属するのかどうか不明なため、メーカーからの公式発表を待ちたいと思います。
(2021年2月8日追記)インナーテントは付属します。上記は杞憂でした。
ゼクーL、オキトマ2が購入できる店舗
現段階でゼクーL、オキトマ2の取り扱いを表明している販売店は以下です。
YAMAP STORE
フォームに事前登録することで販売開始の詳細が決まり次第、情報をもらうことができるようなっています。
アウトドアショップグリーンハウス
販売の詳細が分かり次第、Webページ上で案内されます。
まとめ
これまでの人気具合からすると、ゼクーLもオキトマ2も初回ロット分はすぐに売れてしまいそうな気がします。まだ先着販売になるか抽選販売になるかも未アナウンスです。一方でサバティカルの方も新商品が出るのであればそちらの内容を見てから購入判断をしたいですし、2021年の新作テントを狙っている方にとっては非常に悩ましい1年になりそうです。
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