2020年〜2021年の年末年始には最強寒波が襲来し全国的な寒さとなりました。2021年1月8〜10日にはさらに強い寒波が来ると予報されています。冬キャンプで盲点なのがカセットボンベのドロップダウン現象です。寒冷地でもカセットガスを快適に使うための対策をご紹介します。
アイキャッチ画像出典: SOTO
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Follow @Camp__Reviewドロップダウン現象とは?
登山をされる方、冬キャンプにガンガン行かれる方はご経験が多くあると思いますが、気温や気圧が低い環境下で、カセットボンベがなかなか着火できない、着火しても普段より火力が弱い、ということが起きます。これを、ドロップダウン現象と言います。
ドロップダウン現象はなぜ起きる?
ドロップダウン現象は、使用環境の気温がカセットボンベ内の液化ガスの沸点より低くなると起きます。
キャンプで使うガス缶の仕組み
我々がキャンプに持っていくカセットボンベは、形状の違いでOD缶とCB缶があるものの、中身は天然ガスを液化した液化天然ガス(LNG: Liquefied Natural Gas)です。ガス缶を振ると中身が液体であるのは体感いただけると思います。ガス缶から液化したガスを放出する際に気化させ、火を付ける仕組みになっています。
この液化天然ガスの沸点(気体に変わる温度)よりも、使用環境下の温度が低いとうまく気化せず、火がつかなかったり火力が弱まってしまいます。
ガスの種類による沸点の差
カセットボンベに入っているガスの種類、混合割合により沸点が異なります。見た目は変わらないカセットボンベでも、家庭用や寒冷地用、登山用があったり、値段がバラバラだったりするのはこのためです。
ガスの種類 | 沸点 | 特徴 |
---|---|---|
ノルマルブタン | -0.5℃ | 安価な家庭用カセットボンベに多く含有されるガスです。 -0.5℃以下の環境でドロップダウン現象が起きやすくなります。 半面、カートリッジ内圧が一番上がりにくいため安全性は高いです。 |
イソブタン | -11.7°C | 沸点がより低いため-10℃程度までなら利用可能です。 蒸気圧もより高いため、安定した火力を維持できます。 |
プロパン | -42.1°C | 沸点がとても低いため極寒地でも利用できます。 ただし、カートリッジの内圧が非常に高くなるため、 安全性の観点からある程度の割合までしか混合できません。 |
プロパンをたくさん入れればどんなに寒くても使えるのでは?と思うかもしれませんが、圧力も高くなってしまうため、そうもいきません。OD缶とCB缶が存在するのは、OD缶の方が構造上安定しやすく、より内圧が高く沸点の低いプロパンの含有量を上げられるためです。
これで安心!ドロップダウン対策
通常タイプのカセットボンベしか持っていない場合、気温の下がる冬キャンプに行く際に、どのようにドロップダウン対策をすればよいでしょうか。代表的な対策をご紹介します。
寒冷地用のボンベを買う(難易度: ★☆☆☆☆)
手っ取り早いのが寒冷地対応のパワーガスを購入することです。いずれのメーカーからもパワーガスが販売されています。価格は通常モデルよりは高くなりますが、万一に備え数本常備しておくと良いでしょう。
レギュレーター付きのバーナーを買う(難易度: ★★☆☆☆)
新富士バーナーが展開するSOTOブランドのバーナーにはマイクロレギュレーターが搭載されています。ガスの圧力とスプリングの反発力を利用して火力を調整する構造となっているため、外気温の低下や連続使用の際に、ボンベ内部の圧力が下がってしまったとしても、弁を大きく開閉することで安定したガスをバーナー内に供給することができます。
ガス以外の燃料のバーナーを買う(難易度: ★★★☆☆)
いっそうのことガスを諦めてガソリンバーナーに切り替えるというのがもっとも根本的な解決策となります。特に、既にガソリンを燃料とするランタンなどをお持ちの方は、燃料を共通化できるためそこまでハードルは高くならないでしょう。
まとめ
冬キャンプではどうしても暖房器具の準備に頭がいきがちですが、盲点なのがこのガスボンベのドロップダウン現象です。万全の防寒対策をしていっても、ガスバーナーが使えずまったく料理ができないという悲しい事態にならないよう、備えておきましょう。
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