DODのツクツクベースが販売前にミスでアウトレット販売→フリマアプリで22万円で転売

ツクツクベースキャンプグッズ
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DODから先日発表された新商品ツクツクベース。抽選販売開始直後にフリマアプリで販売価格の倍額以上で出品され、ソーシャルメディア上でその事情について不安視する反応がありました。翌日DODから正式に本件についてアナウンスがあり、人為的ミスで販売されてしまったものであることが明らかにされました。本問題を深堀りします。

アイキャッチ画像出典: DOD

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本事案の経緯

改めて本事案に関して時系列順に起きたことを整理します。

1. 2021年3月11日: ツクツクベース発表

満を持して新商品としてDODからツクツクベースが発表されました。

当ブログでも紹介記事を掲載いたしました。商品自体は価格の割に高スペックで非常に良い商品だと思います。

DOD自身も「売れなかったら世界がおかしい」とまで謳うほど商品性に自信があり、商品ラインナップの中でもかなりの注力商品であったであろうことが見て取れます。

2. 2021年3月18日: 抽選販売と同時にフリマアプリで22万円での出品

2021年3月18日よりツクツクベースの抽選販売が開始されました。それと同タイミングで、大手フリマアプリになぜかまだ発売されていないはずのツクツクベース22万円で出品されていました。大手フリマアプリの規約上、手元にない商品の出品は禁じられているはずなので、この時点で私はどういうカラクリでこのような事態になっているのか不思議でした。

3. 2021年3月19日16:34: DOD公式Twitterより、出品されたツクツクベースはアウトレット品として販売されたものだとアナウンス

当初私はフリマアプリで出品されていたツクツクベースは、出品者が規約違反をして手元にないにも関わらず出品しているものだと思っていましたが、DOD公式Twitterから「出品されているツクツクベースはアウトレット品として販売されたもの」という案内が出たことで、発売前の商品が一部のユーザーの手にアウトレット品として出回っていることが明らかになりました

ツクツクベース
当該Tweetは既に削除されています

4. 2021年3月19日18:39: Tweetの削除と訂正アナウンス

16:34に投稿したTweetは「混乱を招く可能性がある」という理由から削除され、改めてDODより公式文面が公開されました。

この文面の中で書かれていることを要約すると、

  • 出品されている商品の出どころはあくまで調査中で100%出どころの確証は得られていない
  • しかしながら人為的なミスで誤って公式アウトレットショップで販売されたものである可能性が高い
  • 今後はこのようなことが起きないよう管理を徹底する

削除されたTweetと後に出された公式文面の違いは、1)アウトレットショップで販売されたものであると断定しているかしていないか、と2) それが人為的なミスが原因と言い切っているか言及していないか、3) 出品者を一般のお客様と明記しているかいないか、の違いしかなく、一度出したTweetを削除するほどのインパクトはないと思うのですが、きっと何か事情があるのでしょう。

5. 2021年3月19日: 本対応に対して落胆のコメントが多数つく

上記の引用Tweetのコメント欄をご覧いただくとわかる通り、一連のDODに対応に対し落胆のコメントが多数(記事執筆時時点で73)ついています。

ツクツクベースだけでなく、DODの人気商品は抽選販売になることが多く、倍率も高く、欲しくても買えないという方が多くいる中で、待望の新商品が人為的なミスによる公式ルートで流通し、定価の約倍額で転売されている事象というのは、熱狂的なファンほど心を痛める事態だったことでしょう。

6. 2021年3月20日: 社員が商品を横流ししていたのでは?という憶測コメントが拡大

週末に入りDODからリアクションがないことで、様々な憶測コメントが拡大します。特に「社員が転売屋に商品を横流しいていたのでは?」というような憶測コメントが出始めるようになりました。

この時点でのわかっている事実は、

  • 発売前にツクツクベースが公式アウトレットショップで販売された(DOD発表)
  • 2021年3月18日にフリマアプリでツクツクベースが出品された
  • 当該出品者には多数のDOD製品が出品履歴にあった

の3点だけであって、社員による横流しを断定できるものではなく、憶測の域を出ません

ネガティブな憶測ほど拡散するのが早いため、DODはこれ以上のブランドイメージ毀損を防ぐ意味でもなるべく早く詳細なユーザーへの説明を行った方がいいでしょう。

7. 2021年3月22日: DODが公式文面に追記

平日はおはODの挨拶で始まる恒例のTwitter運用がこの日は一切ありませんでした。おそらく社内で本件の対応策に関して協議が行われていたのでしょう。18:25に先日掲載された公式文面への追記が行われました。追記箇所を抜粋します。

(2021/03/22 追記)
上述のアウトレットショップはDODが所属するビーズ株式会社の管理のもとで運営されており、アウトレット部門とDOD部門での管理体制の共有や情報伝達に不備があったため、販売価格やラインナップの妥当性が認識されておりませんでした。なお、本件に関連し、弊社従業員が利益を目的とした転売に関わっていたという事実はございません。

今回発覚した一連の問題を受け、弊社では近日中に公式アウトレットショップにて、以下のような対応をとって参ります。
・公式アウトレットショップをビーズ株式会社の企業サイトに掲載
・抽選販売製品など、人気製品の販売時期、販売方法の見直し
・価格設定方法の見直し

この度は、私どもの不行き届きにより不快な思いをおかけしてしまい大変申し訳ございませんでした。また、いつもDODを応援してくださっているお客様をはじめ、多くの方にご心配とご迷惑をお掛けしましたことを重ねてお詫び申し上げます。皆さまからのご意見は真摯に受け止めて今後に活かし、今後はこのようなことがないよう管理を徹底してまいります。

DOD

それぞれ分解して読み解いてみましょう。

1. ツクツクベースが正式販売前にアウトレットショップで販売されてしまったのは社内体制の不備

前回の説明からあまり具体化されていませんが、人為的なミスの詳細が明らかになっています。

前回の説明公式アウトレットショップにおける人為的ミスにより誤って販売された
今回の説明アウトレット部門とDOD部門での管理体制の共有や情報伝達に不備があったため、
販売価格やラインナップの妥当性が認識されておりませんでした

要は、アウトレット部門の社員の方はツクツクベースが正式販売のものだと知らなかった、自社で発表したスゴイッスの実売参考価格がいくらなのか知らなかった、ということだと読み取れます。

ビーズ株式会社はDODブランドだけでなくゲーミングチェアなどを販売する部門もあるため、社員全員がキャンパーではなく、DOD商品に精通している訳ではないということなのでしょう。

2. 社員の転売への関与は否定

「本件に関連し、弊社従業員が利益を目的とした転売に関わっていたという事実はございません。」という表現で公式に否定がなされました。どのような調査をして事実がないと確証を得たのかは明らかにされていません。

3. アウトレットショップの運用を改善

アウトレットショップの運用に関して3点のアクションプランが明示されました。

アクション背景
公式アウトレットショップを
ビーズ株式会社の企業サイトに掲載
アウトレット品の存在を隠していたという
疑念への対応
抽選販売製品など、
人気製品の販売時期、販売方法の見直し
抽選で買えなかったものを積極的に案内
していないアウトレット品で買えてしまう
不公平さへの対応
価格設定方法の見直し自身で公表していた実売価格より
高い価格でアウトレット品を販売していた
ことへの対応

3つのアクションは、それぞれ自身がしていたことに対して何が問題だったか認識している裏返しと言えるでしょう。

今回の一連の対応でDOD製品は買いやすくなるか?

公式文面へ追記がされたこと、公式Twitterで本件について質問されても回答しないと表明したことで、DODとしては本件はクローズで、これ以上追加対応を取らないということだと認識しました。

今回の追記分を見ていただくと分かる通り、DODが対策を取るのはアウトレットショップの運用に対してのみです。通常販売分の運用に関しては、以前に発表した対策以上の対策を取ることはありません。

つまり、生産体制が抜本的に改善されない限り、DODの人気商品は引き続き抽選販売のままで、抽選結果発表後にフリマサイトで高額転売が行われるという問題はすぐには解消されません。ツクツクベースも抽選結果が出る2021年3月26日には再び高額転売が随所で行われるでしょう。

何が問題なのか?

本事案は根本的に何が問題だったのでしょうか。今後このようなことがDODや他メーカーにおいても再発しないよう考察してみます。

問題1: 継続的に発生する抽選販売と転売問題

アウトドアブームの盛り上がりに比例してDODの人気も上昇し、新商品発売の度に転売の問題が発生していました。これはDODに限った話ではないですが、皮肉にもDODの商品は抽選販売によりプレ値がつきやすく、他社製品よりも転売屋のターゲットとなっていたものと思われます。

特に本問題が顕在化したのは2021年1月のスゴイッスの転売問題でした。

最近では先日抽選結果が出たばかりのタケノコテントです。抽選結果が出た途端に定価の倍近い価格で転売され、抽選にはずれたユーザーはやるせない思いをされたことでしょう。

DOD自身もこの事態に対して問題意識を持っており、何もしていない訳ではなく、対策として以下のような文面を公表していました。

しかし、残念ながら事態は改善するどころか悪化してしまっているのが現状です。言葉を選ばずに言うと、一般消費者から見ると結果の出ていない対策は何もしていないのと同じ様に見えてしまいます

問題2: 発売前商品が流通してしまっていた

これは転売とはまったく別の問題です。抽選販売するような販売数が限られている商品が(いつ販売されたのは明らかにされていませんが)正式販売前に公式ルートで流通してしまっていたというのはありえない事象でしょう。販売のプロセスにおいて誰も気づかなかったということが、DODの販売体制そのものに対して非常に不安を抱いてしまいます。

問題3: 問題発覚後のユーザーとのコミュニケーション

アウトドアメーカーの中でDODは非常にソーシャルメディアを活用しており、ファンの獲得手法やポジティブな話題に対するユーザーとのコミュニケーションは秀逸で、業界におけるトップランナーと言えるほどソーシャルメディアマーケティングに長けています。一方でネガティブな事象に対する対応は不得手で非常にもったいないと思います。

具体的には、以下2点において逆にユーザーの心象を逆なでしてしまう結果になってしまっています。

1. 自身で発信したTweetを削除する

ソーシャルメディア運用において悪手とされる投稿削除です。削除してもいずれ内容は出回るので本質的な解決にはならず、逆に元の投稿(およびその投稿についたコメント)に何か問題があるのかとユーザーに不安を与える行為です。中身を見る限り削除する必要はまったくなかったのではないかと思います。(コメント欄は見ていないので何か問題があるとするとコメント欄なのかもしれません)

2. ポジティブなコメントにのみ反応しネガティブなコメントはスルーする

これに関しては各社運用ポリシーがあるので外野がとやかく言うことではないですが、ネガティブなコメントに対する対応こそ落胆したユーザーを再びファンになってもらうチャンスであるにも関わらず、スルーしてしまうのは非常にもったいないなと思います。

ネガティブなコメントをしてくれるユーザーはそれだけDODへの期待値が高いはずです。本当に落胆したユーザーは何も言わずに二度と商品を買ってくれなくなるだけです。

DODのアウトレットショップとは何なのか?

今回の事案で図らずも明るみに出たDODのアウトレットショップとは何なのでしょう。私もその存在を本件までは全く認知していませんでしたが、Yahoo!ショッピング内でDODブランドを展開しているビーズ株式会社が出店しているショップのようです。(出品されたツクツクベースがここで販売されたものかどうかは未確認です)

記事執筆時時点では在庫ありのDOD製品は21製品販売されています

製品ごとに事情は異なりますが、アウトレット品として販売されている理由は、展示品、開封済品、パッケージ破損、などが多いようです

ツクツクベースの商品ページ

現在「在庫なし」というステータスになっていますが、確かにビーズアウトレットストア内にツクツクベースの商品ページは存在します。

アウトレットの理由が「室内展示品」と記載されており、公式Twitterの「検品のため開封」という理由とことなりますが、きっと検品のために開封して室内展示したということなのでしょう。

商品ページには販売期間が記載されていないため、ツクツクベースがアウトレット品としていつ販売されていたのか不明です。

参考実売価格より高いアウトレットスゴイッス

ツクツクベース以外に発売前の商品は見当たりませんでしたが、公式サイトの正規品としては現在購入できない製品もいくつか販売されています。

スゴイッスも2021年3月21日12時販売開始製品として出品されており、販売価格は10,560円(税込)となっています。

DOD自身が実売参考価格としていた価格は9,430円(税込)でした。

展示品として使われた訳アリ品であるにも関わらず、自ら公表していた参考実売価格より高値で販売されている事情はわかりませんが、転売価格よりはずっと安いので、気にならない方にはよい選択肢となるでしょう。

まとめ

私がキャンプを買って初めてかったテントはタケノコテントですし、今でもいくつかDOD製品を愛用しています。企業規模に対しての商品開発力は非常に高いと思っており、今後も高い期待値を持っています。販売体制の強化に取り組んでいらっしゃるということで、引き続き期待はしているものの、他社製品のように「DODの商品が買いたい時に買える」未来というのがどうしてもイメージできません。起きてしまったことはどうしようもないので、今後の行動がファンをつなぎとめられるかどうかの分かれ道になると思います。本件についてDODからの続報を待ちたいと思います。

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