【リコール】スノーピークのランドロック/リビングシェルなど45品番で水漏れ等による製品交換・販売停止

キャンプグッズ
本ページはプロモーションが含まれています

snow peak(スノーピーク)のランドロック Pro. アイボリー、リビングシェルなど合計45品番において耐水圧のスペックを満たしていない、仕様に記載されている生地と異なる生地を採用していたという事象が発生していると2024年11月7日に発表しました。詳細をレビューします。

アイキャッチ画像出典: snow peak

X(旧Twitter)でも情報発信しております。よろしければフォローお願いします。

明らかになった仕様違い製品

今回の発表では、合計45品番において、1) メッシュパネル裏の素材の耐水圧が公開仕様を満たしていないことと、2) 同じくメッシュパネル裏の素材自体が公開していた素材と異なることが明らかにされました。

製品品質として謳っていたものよりも実際の品質がダウングレードしている状態になっていることから、スノーピークでは今後、当該製品の販売停止や製品交換の対応を行うとアナウンスしています。

スノーピークのテントやシェルターをお持ちの方は、ご自身が購入した製品が対象商品となっているかどうか、ご確認されることをおすすめします。

以下にて具体的な公開仕様と実際の仕様の差分を整理します。

事象1: メッシュパネル裏から水漏れが起きる可能性

18シリーズ42品番にて、メッシュパネル裏の生地の耐水圧が公開仕様よりも低くなってしまっていたことがアナウンスされています。

事象の詳細: 耐水圧1,800mmミニマムを満たしていなかった

対象製品のメッシュパネルを裏側からカバーする素材に関して耐水圧が本来の仕様である「1,800mmミニマム」を満たしていないことが判明したとのこと。1,800mmミニマムを満たしておらず、具体的にどの程度までであれば耐水圧があるのかは公開されていません。

出典: snow peak

本事象に関しては、リビングシェルアイボリー(TP-623-IV)を使用しているユーザーから水漏れの症状に関して問い合わせがあったことから発覚したとアナウンスされています。それをきっかけに他製品でも耐水圧の公開仕様を満たしていないことが発覚したという経緯です。しかしながら、リビングシェルアイボリーであれば必ず水漏れするのか、他製品では水漏れしないのか等については一切言及がありません

出典: snow peak

対象製品: 18シリーズ42品番

具体的にこの事象が発生していることが確認された製品は以下の18シリーズ42品番です。

品番品名
TP-240リビングシェル S
TP-623-IVリビングシェル アイボリー
TP-623Rリビングシェル
FES-240リビングシェル S Pro.
TP-63560周年記念 リビングシェル Pro.
FES-090ランドロック Pro. アイボリー
FES-091ランドロック Pro. RED FRAME EDITION
FES-671ランドロックアイボリー RED FRAME EDITION
PG-270パーフェクトランドロック Pro.
PG-272パーフェクトランドロック
SD-506ドックドーム Pro. 6
SD-507IVドックドーム Pro. 6 アイボリー
SD-51060周年記念 ドックドーム Pro.6
SD-632ランドブリーズ2
SD-634ランドブリーズ4
SD-636ランドブリーズ6
SD-641ランドブリーズ Pro. 1
SD-643ランドブリーズ Pro. 3
SD-644ランドブリーズ Pro. 4
SDE-259ランドネストドーム S
SDE-260ランドネストドーム M
SET-259ランドネスト S テントタープセット
SET-260ランドネスト M テントタープセット
SET-925エントリーパックTS
TP-450スピアヘッド Pro. L
TP-455スピアヘッド Pro. M
TP-640タシーク
TP-65665周年記念 ランドベース 6 Pro.
TP-656-IV65周年記念 ランドベース 6 Pro. アイボリー
TP-690トゥーガ
TP-700ソル Pro.
TP-710ゼッカ
TP-720フービ
TP-750トルテュ ライト
TP-781グランベルク M
TP-782グランベルク L
TP-880エントリー2ルーム エルフィールド
TP-880Rエントリー2ルーム エルフィールド
TP-920メッシュシェルター
TP-920Rメッシュシェルター
TP-925メッシュシェルター
TR-001フィールドトレーラー

事象2: メッシュパネル裏生地が引き裂きやほつれに弱い可能性(通常使用の範囲を超えた場合)

1シリーズ3品番にて、メッシュパネル裏の生地が、公開している素材以外のものが使われていたことがアナウンスされています。

事象の詳細: 75Dポリエステルリップストップ→ポリエステル素材となっていた

対象商品のメッシュパネル裏のリップストップ生地が、「75Dポリエステルリップストップ」ではなく、「ポリエステル素材」が使われていたことが判明したとのこと。

出典: snow peak

本来使われるべきであったポリエステルリップストップ生地は、その名称の通り通常のポリエステル生地に比べると引き裂きやほつれに強い生地です。通常のポリエステル生地は相対的に引き裂きやほつれに弱い生地となりますが、通常の使用の範囲では問題なく使用ができる耐久性であるとのこと。

対象製品: 1シリーズ 3品番

具体的にこの事象が発生していることが確認された製品は以下の1シリーズ3品番です。

品番品名
SD-641ランドブリーズ Pro. 1
SD-643ランドブリーズ Pro. 3
SD-644ランドブリーズ Pro. 4

対象商品に対する今後のスノーピークの対応

これらの事象の発覚を踏まえ、スノーピークでは以下の対応を行うとアナウンスしています。

新規購入者向け: 対象商品の生産、出荷、販売の停止

発表日の2024年11月7日以降、速やかに対象商品の生産、出荷、販売を停止するとのことです。実際に直販のスノーピークオンラインストアではすでに対象商品は在庫なしとなっています。一方で、各販売店の滞留在庫分に関してはすぐに販売を止められない事情もあるので、記事執筆時点では購入できる店舗もありました。

既存購入者向け: フライシートの交換・補修・その他の対応のいずれか

対象商品を買ってしまっていて保有している既存ユーザー向けには、フライシートの交換・補修・その他の対応のいずれかが適用されるとのことです。

どの対応になるのか、期間はどれくらいになるのかは本発表時点では決定しておらず、1ヶ月を目処に詳細が発表されるとのことです。

今回の対応でスノーピークが失ったもの・得たもの

今回の事象は対象となる製品数が非常に多く、ランドロックやリビングシェルなどスノーピークを代表するようなフラッグシップ製品が対象となっていることもあり、特にスノーピーク製品を愛用しているファンの方にとってはショッキングな出来事と言えるでしょう。

失ったもの: スノーピーク品質への信頼感

スノーピークのプロダクトページには以下のように品質についての記載があります。

出典: snow peak

スノーピーク品質が生み出されるまで
スノーピーク品質のクオリティの高さは、圧倒的な情熱から生まれます。
ここでは製品の開発秘話と、そこから生み出される機能についてご説明します。

今回製品ページに記載されている仕様通りに製品を開発し、販売できておらず、それをユーザーからの問い合わせがあるまで自身で気付けなかったことから、品質管理が十分でなかったことが結果として明るみになってしまいました

皮肉にも、「クオリティの高さを保てなかった」=「クオリティの高さを生み出す源泉となっていた圧倒的な情熱が欠如してしまった」ということを自身でネガティブにブランディングしてしまったことになります。

得たもの: 隠蔽せずに失敗に向き合う企業であるというイメージ

時系列で今回の事象発覚の経緯を公開されている範囲で整理すると、以下のような流れになります。

時系列
  • 2024年9月9日: リビングシェルアイボリーユーザーからの問い合わせ
  • 2024年9月?日: 社内で撥水不足等の生地不良であると判明
  • 2024年9月20日: サプライヤーから異なる素材である可能性を示唆する回答受領
  • 2024年11月7日: リコール発表

9月20日のサプライヤー回答から今回の発表までは33営業日あったことになります。この間に他製品の影響確認、対応方針の検討、発表方法の検討を行ったと考えると、比較的スピード感のある対応だったと言えるでしょう。

また、事象1の耐水圧に関しては、相当な雨天時の使用でない限りユーザー自身も気づかない可能性が高く、事象2に関してはリップストップ生地であるかどうかは生地に精通した人でなければ気づかれないものなので、隠蔽しようと思えばできてしまうレベル感の事象であったとも言えます。対象製品の多さから鑑みるに、販売停止による売上損失、交換や修理によって発生する費用の大きさは相当なものであると推計できますが、スノーピークはそれらの損失よりもこの事象に誠実に向き合う選択をしたという見方もできます

まとめ

今回のスノーピークの対応に関し、インターネット上では様々な意見が交わされています。品質重視のブランディングを行ってきた同社だからこそ、その期待を裏切られたと感じたユーザーが多かったということでしょう。特に対象製品を現在進行系で利用しているユーザーの方にとっては、今後の対応がどのようになるのか不安を抱いている方も多いかと思います。ここまでブランド価値を失墜する事象は創業以来なかったと思いますが、今後の対応でよりユーザーの信頼を損なうようなことが起きないよう願います。

その他スノーピークに関する記事はこちら。

タイトルとURLをコピーしました