2020年11月5日に第37回となる「現代用語の基礎知識」選 ユーキャン新語・流行語大賞の2020年のノミネート語30語が発表されました。30語の中には「ソロキャンプ」もノミネートされています。実態としてキャンプ業界においてソロキャンプはどれくらい盛り上がっているのでしょうか。詳細をレビューします。
アイキャッチ画像出典: 自由国民社
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Follow @Camp__Review「ソロキャンプ」が新語・流行語大賞2020年のノミネート30に
「現代用語の基礎知識」選 ユーキャン新語・流行語大賞の2020年のノミネート語30語の一覧は以下の通りです。
2020年は当然ではありますが、新型コロナウイルス関連ワードがほとんどを占めています。キャンプ自体がここ数年ブーム気配があったものの、テレワークやワーケーションの潮流、屋外で密になりにくい環境であることも相まってよりソロキャンプに注目が集まった1年と言えるでしょう。
さすがに年間大賞には選ばれないでしょうが、30語にノミネートされただけでも世間からは注目度が上がるため、業界としては大変喜ばしいことです。
※2020年12月1日に大賞とトップテンが発表されます。
実際にソロキャンプはどれくらいブームなのか?
では、実際にソロキャンプはどれくらいブームになっているのでしょうか。実態を探るため各種統計情報を整理します。
Googleの検索トレンド
過去5年間のGoogleでの「ソロキャンプ」の検索トレンドを見てみます。(比較のため「ファミリーキャンプ」の検索トレンドも合わせて表示しています。)
このトレンドから読み取れることは以下です。
・「ソロキャンプ」の検索数は緊急事態宣言解除後の6月あたりから急増し、8月2週目には増加前の2倍に
・例年8月は検索数が上がる傾向だが、2020年8月の「ソロキャンプ」の検索数は2019年の2倍
・「ファミリーキャンプ」の検索数は昨年同月対比で1.5倍増程度であり、「ソロキャンプ」の方が増加率が高い
確かにオンライン上での検索数は増えているため、興味を持って「ソロキャンプ」というワードで検索するソロキャンプデビュー者が多かったのではないかと推察できます。
日本オートキャンプ白書2020
調査期間が2019年8〜10月、発行が2020年7月なので、実態としては1年前のデータですが、業界の定量データを扱う統計はこれしか見つけられなかったため、昨年の傾向を見てみます。
まず、誰と一緒にキャンプに来ているか?という実態を把握するための「キャンプ同行者」という調査項目があり、2019年の調査では「子供連れ」が最も多く57.2%であるものの、「1人(ソロキャンプ)」は9.4%となっており、トレンドを見ても2017年からずっと増加傾向であることがわかります。
検索トレンドと比例して増加しているとすると、2020年はもっと割合が多くなっていることでしょう。
キャンプ場の収益率を上げるカギはソロキャンプの普及?
日本オートキャンプ白書によると、2019年のキャンプ場の平均稼働率は(増加傾向にあるとはいえ)17.5%です。週末4泊+祝日1泊=5泊/30日=17%という計算になるので、土日祝日はほぼ埋まって平日はガラガラという肌感覚とも近い数字感かと思います。
ビジネス利用で平日を埋められるホテルとは違い、(子どもの学校のため平日休みが取れない)ファミリー客に依存するキャンプ場は、平日の稼働率を上げるのはなかなか難しいのでしょう。
この根源的な課題を解決しうる救世主がソロキャンパーです。働き方改革により有給休暇の取得が比較的しやすくなり、新型コロナウイルスによりテレワークやワーケーションがしやすくなったことで、環境としてはより平日に1人でソロキャンプに行きやすくなったと言えます。
今回のノミネートが単なる一時のブームで終わってしまうのではなく、中長期的なトレンドになっていくことを願っています。
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